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2022年12月26日
PRノウハウ

広報DXを通じて、高度化する自治体の戦略広報とは
~千代田区の事例に学ぶ~

2022年11月10日に、「DXで実現する自治体の戦略広報」と題したセミナーを開催いたしました。当日のセミナーレポートをお届けいたします。


開催背景

自治体広報は「地域住民へ正しい情報を伝える」ことが最も大切です。加えて昨今の環境変化に対応すべく、地域課題解決に寄与する様々な活動に、地域内外の人々を広く巻き込んでいく、積極的かつ戦略的な情報の発信も求められるようになっています。


しかしながら、自治体広報はクリッピング・定常的な情報発信・所内への情報共有など業務量が多く、戦略広報の実現を妨げていました。そこで業務を簡略化し、自治体広報をより良いものへと変革するためにデジタル技術活用への注目が高まっています。


そのような中で、多くの自治体広報で「業務効率化・効果の最大化・PDCAサイクル運用」などを実現し、より着実かつ効果的に広報を遂行するためにDXに取り組まれるようになりました。そこで今回、弊社でも支援する千代田区の事例をヒントに皆様の状況に即した最適な手法を見つける力になりたく、本セミナーを開催しました。


※引用元:https://www.value-press.com/pressrelease/305239


DXで「戦略広報」へ 千代田区の事例

まずは、当社で支援している千代田区のPR Analyzer活用事例をご紹介します。





PR Analyzerでは、上記のような課題解決をサポートしており、業務工数の削減及び迅速な情報共有などを実現しています。現在は千代田区の他に、横浜市、町田市などにもPR Analyzerを活用いただいており、クリッピング及び効果測定の分野における広報DXが益々進んでいます。


※都政新報記事:https://www.pranalyzer.jp/news/details/toseishimpo-chiyoda-city-article/

※横浜市PR Analyzer導入事例:https://www.digital-gyosei.com/post/2022-07-13-news-yokohama-pr/



広報の業務プロセスから考えるDX


続いて、広報の業務プロセスからDXの対応策を考えていきます。


当社では広報は大きく3つの業務に支えられていると定義しています。まずは、プランニングです。PR戦略立案・企画・クリエイティブ制作・プロジェクト管理などがこれにあたります。次いで、リレーション構築です。メディア・インフルエンサー・業界関係者との関係構築を指し、パブリシティを獲得する上で非常に重要です。最後に、定常的な作業です。クリッピング・効果測定分析・活動報告レポート・記者リストの管理など、前段の2つを支える大切な業務になります。これまでの広報活動は”作業”にあたる業務負担が大きく、本来時間を使うべき、プランニングやリレーション構築に十分なリソースを割くことができていませんでした。そのため、昨今は”作業”のデジタル化・効率化を図ることが求められています。


業務の特性によってDXが現状マッチしない領域もあります。そのためこのようにプロセスを分解し、対応策を考えると非常に検討しやすいです。



【負担を軽減するサービスカテゴリー】
・リリース配信サービス
・取材日程調整及び文字おこしサービス
・クリッピング及び効果測定サービ

DXが戦略的広報実現のカギ

広報作業のDXを考える上で、当社が得意とするクリッピングの負担削減、ひいてはデータを蓄積し、戦略的な広報を実現する効果測定のポイントを解説していきます。


戦略的な広報を実現するために、重要なポイントが2点あります。1点目はデータを蓄積し、定量定性の両面から効果測定を実施することです。広報活動は様々な要素により成果がもたらされます。そのため古くから用いられる掲載件数や広告換算費だけではなく、リーチ数や競合比較なども活用しながら、多面的に評価をしていくことが重要です。2点目はITに置き換えられる単純作業を削減し、戦略や施策立案に時間を充てることです。クリッピングを手作業で集計している(またはそれだけのために外部のパートナーを利用している)など単純な作業を削減し、新たな施策に活かすことができる時間及びデータ分析にリソースを割くべきだと考えます。



データによる可視化の基本的な手法

データによる可視化の考え方には、2つのポイントがあります。1つ目は、目標から落とし込んだ指標設計にすることです。広報戦略や施策と行政の方針とを一致させ、一貫性を持たせることが重要になります。





特に上記図に掲載の7つの視点を整理いただくと方針のぶれない、適切な広報戦略の実行を可能にします。


また、以下は当社が提供するフレームワークになります。組織が目指す姿に紐づく形で上から情報を整理し、今注力すべきテーマに落とし込むことが重要です。




【千代田区の事例】
・施政方針:以後事の良いまちづくり、「つながる都心」の実現
・コミュニケーション上目指すべき状態:まちの明るさと賑わいを創出するソフト事業と並行し、「ウォーカブルな街づくり」に着手
・広報活動の目的:千代田区さくら基金クラウドファンディングの成功
・注力活動:区長メッセージ・区の桜の歴史・クルーズイベント

これらを適切に評価するための効果測定の指標を設計し、効果的な活動内容を把握し、戦略的な広報活動に活かされています。

このように目的達成のための戦略に基づき、日々活動していくことがポイントになります。


2つ目に、戦略に基づく日々の広報活動をアクション・アウトプット・アウトカム指標に分類して振り返り、施策の改善に活かしていくことが大切です。量と質の両面で評価し、多面的に振り返っていくことで施策本来のインパクトを適切に把握できます。例えば、注力プロジェクトの浸透と評判形成が目的であれば、アクション指標(取材数)・アウトプット指標(リーチ数・論調)・アウトカム指標(指名検索数・口コミ)を見ていくとで効果的(逆に効果がなかった)だった施策や露出傾向がわかり、次の活動や戦略に活かされます。



上記表に広報部門で幅広く採用されている指標を掲載していますので、ぜひ参考にいただけますと幸いです。


このように広報目的を整理した上で、戦略・指標に落とし込むことが重要であり、またそれを遂行する中で発生した作業負担を軽減するデジタル活用が施策効果を最大化するために重要となります。


ビルコムでは、個別自治体状況に応じた広報DXの手法に関する相談会や支援を行っています。より具体的な手法に関心がございましたら、気軽にご相談ください。