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2023年04月27日
PRトレンド、セミナーレポート

「冷凍食品」業界の時流を報道データから読み解く ~ 味の素・ニッスイ・マルハニチロ【セミナーレポート】

2023年4月に「『冷凍食品』業界の時流を報道データから読み解く」と題したセミナーを開催しました。当日のレポートをお届けします。



開催背景 ~ コロナ禍を契機に成長する冷凍食品業界に注目

2023年4月21日に、日本冷凍食品協会が発表した2022年1~12月の冷凍食品国内生産量(速報値)によると、冷凍食品の国内消費量は、前年比3.0%増の298万1483トンと2年連続で増加し、過去最高を記録しています。(参考:https://www.ssnp.co.jp/frozen/508394/)

コロナ禍の行動制限によって、冷凍食品の需要は大きく高まりました。そして、行動制限が解除された後も冷凍食品の消費量は増加傾向で、これは企業努力による品質の向上や商品ラインナップの拡充が消費者の支持を集めていると考えられます。さらに、今後の日本社会が高齢化、単身世帯の増加、働く女性の増加が予測される背景から引き続き冷凍食品業界の市場拡大が期待できます。

このように成長業界として近年注目を集める冷凍食品業界について、PR Analyzerで報道データを収集し、時流の分析と解説をおこなうセミナーを開催しました。


「味の素・ニッスイ・マルハニチロ」に関するWebニュースの記事データを分析

PR Analyzerを用いて、冷凍食品業界における主要企業である「味の素・ニッスイ・マルハニチロ」の各社について2022年4月〜2023年3月のWebニュースのデータを収集し、分析しました。

■報道データの収集条件
対象 : Webニュース
期間 : 2022年4月〜2023年3月の12か月間
クリッピング条件 : 「味の素・ニッスイ・マルハニチロ」の企業またはブランド名と、冷凍食品に関連する語句を記事内に含む


グラフ及び掲載数、リーチ数、広告換算費による比較分析

該当期間における掲載数の推移を折れ線グラフで表したのが、下図です。


値上げ発表のタイミングで、各社掲載数が伸びる傾向があり、特に味の素の掲載数が2022年11月に最も多くなりました。これは、2023年2月からの値上げ発表に関する報道が集中したためです。

続いて、各社の掲載数、リーチ数、広告換算費のデータを集計したものが下記です。

味の素

ニッスイ

マルハニチロ

掲載数

4,641

1,883

2,322

リーチ数

14,667,311

5,431,373

7,084,712

広告換算費

¥4,549,989,000

¥1,912,423,000

¥2,348,753,000

味の素の数値が最も多くなっており、次いでマルハニチロ、ニッスイの順となっていました。また、味の素とマルハニチロでは、掲載数、リーチ数、広告換算費の各指標で約2倍の差が出ています。

冷凍食品業界の2021-2022年の売上ランキング(業界動向サーチ調べ)では、ニッスイ、マルハニチロ、味の素の順となっており、報道量の逆転現象が起きているのは興味深いです。


SNSで波及したWebニュースの傾向は?

続いて、期間中のWebニュースの中で、SNSで波及が広がり生活者からの反応が高かった記事について抽出しました。
(PR Analyzerは、Webニュース内に設置されたソーシャルボタンの利用回数や、記事のURLを含む投稿数を集計した「SNS波及数」を取得可能です。)

【SNS波及数が大きかった冷凍食品業界関連のWebニュース記事】
(1) キャンセル待ちが約8000人! レンジで「チン!するレストラン」がここまで話題を集めたワケ(ITmedia ビジネスオンライン)
総合食品商社の日本アクセスが開催した、冷凍食品とアイスクリームが食べ放題のイベントに対する大きな反響を紹介する記事がSNS波及数が伸びました。記事内では味の素の「ザ・ハンバーグ」が人気の商品として紹介されていました。
体験型×食べ放題というイベントの特徴が好評で、キャンセル待ちが約8,000人出るなど多くの関心を集め、話題になりました。

(2) 2月に値上げされる食品や飲料5000品目超 再び値上げラッシュに(NHK NEWS)
2023年2月に値上げされる食品が5,000品目を超えることを取り上げたニュースが、値上げ関連のニュースでも特にSNS波及数が高くなりました。「値上げラッシュ」という語句も使用され、分析対象である味の素やニッスイ、マルハニチロ3社の冷凍食品も値上げ対象の商品として紹介されていました。

(3) 「冷凍餃子は手間抜きです」 冷凍食品の認識を好転させた味の素(日経クロストレンド)
次に紹介する記事は、味の素の冷凍食品「ギョーザ」の事例がマーケティング視点で紹介されたものです。
「冷凍餃子は手“間”抜き」というTwitterに投稿されたつぶやきをきっかけに、「冷凍食品=手抜き」というパーセプション(認識)を変えることに成功した味の素の「ギョーザ」の取り組みが解説され、多くのSNS波及につながりました。


まとめ

今回は、PR Analyzerを使用して冷凍食品業界の「味の素、ニッスイ、マルハニチロ」の3社の報道データを収集、分析しました。

 

エネルギー、原材料の価格上昇の影響を受け、冷凍食品業界でも値上げ関連の報道が目立ちました。一方で、値上げ以外の「イベント」や、「マーケティング視点での解説」などの記事で取り上げられた味の素が、報道量で他社を上回っている傾向が確認できました。

 

PR Analyzerは、今回紹介したWebニュース記事のクリッピングやデータ集計に加え、TVや新聞、雑誌のクリッピングとデータ算出にも対応しています。また、掲載数や広告換算費の算出はもちろん、リーチ数やSNS波及数、記事の内容を元に分類する機能も備えており、広報・PRの効果を多角的に分析することが可能です。

 

自社だけでなく競合の記事もクリッピング、データ算出し、グラフや数値で比較するレポートを簡単に作成できます。データを活用した広報・PR活動の効率化、高度化に興味を持たれましたら、ぜひお気軽にご相談下さい。

 

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