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2022年06月24日
セミナーレポート

なぜ、ユーグレナは話題化するPRを実現できるのか【セミナーレポート】

2022年5月31日、株式会社ユーグレナ広報宣伝部部長の北見 裕介氏をゲストに迎え、『なぜ、ユーグレナは話題化するPRを実現できるのか~ ジャパンSDGsアワード受賞をはじめ、社会に浸透し評価されるPRを生むPDCAとは? ~』と題したセミナーを実施しました。当日のレポートをお届けします。

※株式会社ユーグレナ 北見 裕介氏:https://www.euglenjp/

株式会社ユーグレナの紹介

北見) ユーグレナは、2005年12月に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養に成功した東大発ベンチャー企業です。事業としては、ヘルスケア、遺伝子解析、バイオ燃料、ソーシャルビジネス(ユーグレナGENKIプログラム等)を展開しています。中でもソーシャルビジネス領域における、バングラデシュ貧困農家への高品質な緑豆の栽培ノウハウの伝授は、現地住民の所得増などに貢献したことが評価され、この度、第5回ジャパンSDGsアワードにおいて、「SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞」を受賞することができました。これはテクニックではなく、これまでの当社の取組みが評価されたことにより受賞にいたったものだと考えています。

 そのため今回は、これらの取組みを含む複数事業の広報活動を、ユーグレナ・フィロソフィー「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」で推進していくをテーマに当社の広報活動のポイントを紹介したいと思います。

複数事業の広報活動を、フィロソフィー「Sustainability First」で推進していく



北見) “ユーグレナ社の成長=世界の課題の縮小”を成り立たせるために、循環型社会を目指し、日々行動をし続けることが当社のあるべき姿であると考え、本フィロソフィーを制定しました。フィロソフィーを意識した広報活動の推進を目指していくにあたり、重要視しているポイントが4つあります。

①「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」が根幹にある(意識だけではない!)
②これまでに無い座組みやサービスを作る(イノベーションを生み出す!)
③技術革新×社会実装を目指すこと(技術革新の種を社会の当たり前にしていくこと)
④日々継続的に情報を発信する(100点の情報にならなくとも早めに市場に問い、検証し次に活かす)
以上4点を徹底し、ユーグレナ社が当たり前に社会へ浸透するよう広報活動を行っています。特に石油燃料と次世代バイオ燃料が車両や船舶での使用時に全く変わらない点を訴求しなければいけないことは、非常に難しいですが、一般の方向けに給油イベント※1を開催し、自分たちの車もバイオ燃料が給油できるクルマなんだと体感してもらう企画も行い、理解醸成を図っています。

また、バイオ燃料にブランド名称※2をつけるなど馴染みやすくなるよう広報手動で様々な工夫を凝らしています。

※1:サステナブルステーション by ユーグレナ:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000036462.html
※2:ユーグレナ社のバイオ燃料「サステオ」:https://www.euglenjp/businessrd/energy/susteo/

広報お悩み質問コーナー

Q1)コロナ禍によりPR活動で変えた点はありますか?

北見) 以前よりもメディアキャラバンのスキルを発揮しづらくなったため、コンテンツから注目を集め、紹介されるという座組み作りを意識しました。一般消費者の行動としても、ピンポイントで情報を取得するといった動きが増えたため、良質なコンテンツを用意することは重要でした。

Q2)日々の活動の振返りやレポーティングの仕方はどのような形で行っていますか?

北見) 通常は、PR Analyzerの基本的な機能を使い、自社に必要な記事だけをピックアップし、掲載内容を確認しています。タグ機能も使って、広いテーマで記事の内容分類を行い、露出内容の全体像を把握、確認するようにもしていますね。ボタン1つでテーマごとの記事が抽出できるのは工数削減になり嬉しいです。
 また、プロジェクト単位での振返りなどが必要になった際には、PR Analyzerに蓄積していたデータを使って分析をしています。

Q3)北見氏のPRのキャリアの中で大きな影響を与えたターニングポイントはどんなことですか?

北見) 元々広告担当をしていた時に、広告の想定露出以上の反響や効果を生み出したいと感じていました。しかし、ただ商品を伝えるというだけでない、話題化するようなプロモーションを目指した時に、トライ&エラーを繰り返す中で、周りの人から「上手くいったよね」と言われるような成功体験を生み出せたことが大きかったと思っています。

Q4)”からだにユーグレナ”は効果効能など直接言えない制限がある中で、コミュニケーションで工夫しているポイントはありますか?

北見) まさに、「からだにユーグレナ サウナプロジェクト」がそうです。「ユーグレナ」という名前の意味などはお客様側が自ら調べたいと思う状況ができたら、自然に伝わっていくのではないかと思っているので、効果機能などは一旦置いて、まずは、”おいしい”という点だけで訴求出来ないかとチャレンジしている最中です。



Q5)商品PRのためにどの媒体を指定し、広報を展開していますか?

北見) これはいつも大変悩むポイントですね。掲載いただいたからと言って、売上に必ず繋がるとは限らないため、紹介いただける媒体みなさまとやり取りすることを大事にしています。

Q6)メディアとの関係性について具体的にどのようなスタンスや手法でリレーションを構築していますか?

北見) 社会にとっても意味のある新情報ありきでのコミュニケーションを徹底しています。事業側のニーズを優先して情報を発信しようとするとどうしても当社の臨む社会課題の縮小というテーマから遠くなってしまうと思うので、掲載に至らない場合もありますが、出来るだけユーグレナの世界観を大切にしながら情報発信しています。

Q7)広報活動の社内情報収集において、各事業部門から新しい施策のキャッチアップが漏れてしまうことがあります。各部門の新しい取組みを必ず広報部門に届けてもらえる仕組み化作りをどのように行っていますか?

北見) これは難しいと思っています。実際に見逃すこともあります。1つ大事にしていることは、「○○さんが連絡してくれたからこんな風にできました!」と社内へ伝え続けることですね。広報部門を思い出してくれる機会を増やすために、新しい施策や取組みを広報部門に連絡してくれた案件については、社内フィードバックを必ず行うよう取り組んでいます。

Q8)突発で生じる案件も多いと思いますが、PRの計画はいつ頃からどれくらいの粒度で行っていますか?

北見) 年間で大枠を設計していますが、突発的な案件ももちろんあるので、数か月前に細かく落とし込んで把握するようにしています。


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