ビルコム株式会社のクラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer」。2018年8月時点で累計75ブランド以上に導入いただいています。
百貨店業を営む株式会社三越伊勢丹さま(https://www.imhds.co.jp/ja/)もPR Analyzer導入企業の1社です。
今回は、三越伊勢丹流PR効果測定の考え方やPR施策、PR Analyzerを導入いただいた経緯や導入前後の変化などについて、同社百貨店事業本部MD戦略部 セールスプロモーションディビジョンPR担当の蛯名藍子さまにお話を伺いました。
会社名は「三越伊勢丹」ですが、私たちのチームでは伊勢丹のPRを担当しています。ブランドメッセージ「毎日が、あたらしい。ファッションの伊勢丹」を軸に立ち上がる、大小さまざまなプロモーションを世に届け、広めるためのPR戦略を考えるのが業務です。
主にはプレスリリースを配信したり、キャンペーンをPRに落とし込み、いつ、どんな媒体に出すかPRの方法を考えたり、テレビやWeb、雑誌などの取材に対応したりしています。
今年4月に伊勢丹新宿店本館7階(催物場、バンケットルーム)で開催した「機動戦士ガンダム×ISETAN WELCOME TO ZEON」のような大きなプロモーションは例外です。
3〜4週間前にプレスリリースを出したり、第二弾、第三弾と切り口を変えて見せたり、世の中の関心が薄れないよう、何度も打ち出すなど、いろいろなことを試していますね。
そうですね。ちょうど本日(取材日は2018年7月18日)から開始した人気アニメとのコラボ企画も、3〜4週間前にプレスリリースを出しました。大きなプロモーションに関しては、かなり前もって情報を出すことが多いです。
閲覧率の高い金曜日の夜9〜10時頃に記事化されるタイミングを狙ったり、ターゲットによっては朝の通勤時間に出したりすることはあります。「明日行ってみよう!」と思ってくださるお客様に向けて、あえてプロモーション開始前日にプレスリリースを出す場合もありますね。
膨大な情報があふれている今、プレスリリースをいつ、どのタイミングで出すかはとても重要です。私たちも試行錯誤しながら、それぞれのプロモーションについて、最良の出し方を模索している状況です。
プレスリリースを元に記事になり、Web上で拡散するほど、どこまで広がったのか追えなくなり、数字も拾いきれなくなってしまうことです。たとえば、2017年2月には人気アニメとのコラボ企画第二弾となるプロモーションを開催し、それがとても情報拡散されました。
プロモーションとしては成功したわけですが、PRがどれだけ貢献したか、数字として出せないもどかしさを感じていました。上司や現場の人間に対し、数値のフィードバックが正確にできず、おおよその感覚でしか伝えられなかったので。
「某ファッションニュースサイトに掲載されました。◯件拡散されました。」といった具合です。
今は紙よりもWebのほうが拡散されやすく、影響力も高まっています。当然数値を追わなくてはなりませんが、雑誌でいう“発行部数”のような、明確な数字を出せないのは悔しかったです。
世界が広がりました。今まで自分が見てきた拡散の様子は、ほんの一部だったんだなと気づかされたんです。
そうですね。PR Analyzerは、私が把握しきれていなかった拡散の状況を伝えてくれます。そのおかげで、拡散という世界が広がる感覚もありますし、正確な数値を知ることができるようになりました。
もうひとつ、PR Analyzerを導入してよかったと感じるのは、プレスリリースのタイトルを考える際、参考になる情報を得られることです。
管理画面を見ていると、私たちが当初付けたタイトルの一部を変えたり、大幅に変えたりして配信するメディアも多数あることがわかります。
「こう表現するとわかりやすいんだな」「こっちの表現のほうが伝わりやすいんだな」などと勉強になるんですよね。一つひとつ確認しています。
ほとんどのプロモーションは6日間の開催なんですね。それが終わったタイミングで、PR Analyzerで広告換算費やリーチ数、媒体数などを出します。
でも、それらをただ並べるだけだと、上司や一緒に動いているバイヤーやアシスタントバイヤーなどの現場の人間には伝わらないことがあります。
相手に応じて必要な項目を見せたり、項目を入れ替えたりと、体裁を整えて資料を作っていますね。相手に合わせて、言葉をわかりやすく言い換えることもあります。
とくに重要だと思うのは数字です。数字があるのとないのとでは、説得力がまったく違ってきます。
「平均数値はこれくらいだから、今回は高かった(低かった)」など、目安となる数字を記載すること、それと比較してどうだったか、一言添えることも心がけています。
ただ、数字を見せるのではなく、自分なりにフィードバックを添えることで、分析もより深くできますし、次の施策に活かすこともできます。
前出の「機動戦士ガンダム×ISETAN WELCOME TO ZEON」は、とても大きな反響がありましたね。当日取材したいという依頼も多く寄せられました。
紳士担当が本物にこだわってテーラーと作り込んだ、赤い彗星シャア・アズナブルの軍服も、注目を集めた要因のひとつです。
かなり高額でしたが、それが話題になりました。他にもお値段がはる商品はいくつかありましたが、子供から大人まで幅広く楽しんでいただけるプロモーションになったと思います。
限定品の数々や「RESTAURANT ZEON(レストラン ジオン)」などでも、ガンダムの世界観を伊勢丹らしく表現することができました。
伊勢丹というフィルターを通して、ガンダムをどう表現するか、価値を見出してもらえるプロモーションとはどんなものか、プロジェクトチームで入念に話し合いました。
その結果、ファッションの伊勢丹がガンダムとコラボすると、こんなにすごいものになるのか! と驚きの感想を拡散される方を多く目にしました。
3月に6階催物場で開催したコスメの祭典「メイクアップパーティ」は、若い方にも多く来ていただいた実感がありました。この催しでは限定販売や先行販売を行ったり、ヘアメイクができるコーナーを設けたりもしました。
百貨店でコスメを買われる20代の方は少ないですが、百貨店に足を運んでいたくきっかけづくりになったのかなとは思います。
初日に影響力のあるインスタグラマーをご招待し、情報発信していただきました。それもあって、彼女たちをフォローしている若い層に、興味を持っていただけたのかなと思います。
コスメは品揃えが幅広く、パッケージもかわいいものが多いので、来店後、Instagramにあげてくださるお客様も多くいました。
コスメは普段本館1階で販売していますが、いつもお客様が多く、通路が通りづらいくらい、混み合うこともあります。本館6階の催物場で開催することで、いつもよりもゆったり見られる、という点も喜ばれた理由かもしれません。
会社からはPRに対し、何度も来てくださる既存のお客様はもちろん、日頃百貨店にあまりいらっしゃらない方にも伊勢丹に興味を持っていただき、お越しいただくことを期待されています。そういう点では、上手くいった事例のひとつではないかと思います。
PRは効果を数値化するのが難しいジャンルです。百貨店は小売業ですから、会社としては当然売上を追っています。私たちPRは売上につながる手助けとして、どんなPRができるか、PRの仕方や掲載先を常に考えています。
ブランドメッセージ「毎日が、新しい。ファッションの伊勢丹」を体現すべく、日々新しい提案をし、既存・新規問わずお客様の期待値を上回ること、来店いただいて期待以上のものがあると感じていただくことを目指しています。
プレスリリースを発信すると、どれくらいの人がそれを見てくださったかはわかります。では、その後、どれくらいの人が店頭に来てくださったのか、購入してくださったのかは、お客様に商品を渡す店頭の人間でないとわかりません。
彼らとコミュニケーションを密に図ることで、何を見て来店してくださったのかなど情報交換できたら、プレスリリースの出し方もより工夫できるのかなぁと。
そのためにも、リアルな現場とPR Analyzerでの分析結果を組み合わせて考え、店頭で反響のあるもの、世の中で話題になっているものとの違いを見て、試行錯誤し続けることが大事なのかなと考えています。
PR Analyzerに興味を持たれましたら、是非こちらよりお問い合わせください。
管理画面のデモや他の事例のご紹介、御社に合わせたご提案をいたします。