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2022年05月30日

広報・PR活動における事業への貢献をレポートで可視化する方法とは?

広報・PR活動にとってレポートは、社内に掲載の事実を共有するだけのものではありません。広報・PR活動の改善に繋がる示唆を得たり、他部門の施策や経営方針策定の参考情報として活用が可能です。しかし、広報・PR活動のレポートに、何を記載すれば良いのか、どのようにまとめたら良いのか、自信がない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、広報・PR活動において事業への貢献を可視化するためのレポート作成方法を解説します。

広報・PR活動のレポートで何ができるのか?レポート作成の意義

広報・PR活動におけるレポートとは、クリッピングや効果測定などのデータを用いて、広報・PR活動の成果をまとめたものです。レポートで広報・PR活動の事業への貢献効果を可視化するためには、クリッピングによる掲載内容の報告に加えて、データを用いた「定量」と「定性」の両面からの分析結果を反映することが重要です。

近年は成果主義の高まりやメディア環境の変化から、掲載の事実を報告するだけではレポートとして不十分になってきています。どれだけの生活者に情報が届いたのか、その効果はどうだったのかなど、掲載や露出による事業への貢献効果を具体的に可視化したレポートを求める企業が増えています。
広報・PR部門も、こうした背景を理解してレポートを作成することが重要です。

では、レポート作成を通じて、広報・PR活動の成果を可視化することに、どのような価値があるのでしょうか。広報・PR部門のレポートから得られるベネフィットとして、次の3点が挙げられます。

<広報・PR活動のレポートがもたらす価値>

(1)広報・PR活動の改善に役立てられる
広報・PR活動におけるレポート作成は、PDCAサイクルにおける「C(Check:評価)」に該当する重要な業務です。広報・PR活動の計画(Plan)と実行(Do)の成果を分析し、次の活動の改善(Action)へ活かしていくことに役立てられます。

(2)広報・PR部門として経営層に説明責任を果たす
レポート作成により、広報・PR活動の結果として、どのようなメディアに、どのような内容で掲載が発生したのかをわかりやすくまとめ、社内に共有することができます。広報・PR部門として実績や成果をレポートで報告することで、説明責任を果たすことにも繋がります。

(3)レポートを通じて他部門の活動や経営に貢献する
広報・PR活動のレポートには、活動の効果を可視化し、課題点や上手くいった施策を組織に共有する役割もあります。広報・PR活動の分析結果は、他部門の施策や経営方針策定の参考情報としても、非常に有益です。
たとえば、広報・PR活動で反響が大きかった掲載の訴求を、マーケティング施策に横展開する。競合比較から自社の強み・弱みを抽出し、経営戦略に反映する、といった応用も可能。つまり、広告や販促活動の最前線に立つ広報・PRの成果を参考にすれば、他部門や経営がゼロから施策を検討する手間を省くことができるのです。広報・PR活動の実績から考察できる傾向や改善点を、経営層や他部門に共有することで、会社全体としての業務効率化や生産性の向上に貢献できます。

しかしながら、「データを並べただけになってしまう」「広報・PR活動の価値や貢献をレポートに上手く反映できない」など、レポート作成が上手くいかないケースも見受けられます。せっかくレポートを作成しても、単なる「掲載や露出の事実を羅列した報告書」になってしまっては、あまり意味がありません。

広報・PR部門として、大きな価値をもたらすレポートを作成するためには、「誰に・何を伝えるか」という目的意識をもって取り組むことが重要です。

広報・PR部門の「貢献」が経営層に伝わる!評価されるレポート作成の始め方

広報・PR活動のレポートを作成する際の流れと、重要なポイントを紹介します。

<広報・PR部門のレポート作成におけるプロセスとポイント>

(1)レポートで何を伝えるか、メッセージを決める
レポートでは、広報・PR活動からどのような効果が得られたのかを明らかにする必要があります。しかし、広報・PR活動の成果は多様な表れ方をするので、何を伝えるかによって、レポート内容も異なります。
レポート作成を開始する前に、広報・PR部門として強調したいことや、伝えたいメッセージを決めましょう。

(2)メッセージに応じてレポート項目を決める
経営層からの理解と評価を得るためには、広報・PR活動の成果をわかりやすく伝えることが肝心です。メッセージに応じてレポートに掲載する観点を絞り込むと、内容に無駄がなく、経営層にも伝わりやすいレポートに仕上がります。

(3)レポートに採用する指標を選ぶ
レポートの観点にあわせて、レポートで報告する指標を決定しましょう。露出記事の件数や、広告換算費の増減だけでは、広報・PR活動の成果を強調することはできません。効果測定の基本的な考え方を理解したうえで、「アクション指標」、「アウトプット指標」、「アウトカム指標」の3つの視点から、最適な指標を選んでください。「アクション指標」、「アウトプット指標」、「アウトカム指標」の詳しい内容については、下記の関連記事をご覧ください。

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広報・PR活動のレポートの価値を高める4つの「メッセージ」

前章で、広報・PR活動のレポートを作成する際には、最初に伝えたいメッセージを決めることが重要であることをお伝えしました。メッセージを決めることは、「何のためにレポートを作成するのか」という目的をはっきりさせることでもあります。レポート作成の目的を認識していれば、取り入れるべき指標や分析手法もおのずと見えてくるはずです。

経営層が各部門のレポートに求める観点は、ある程度共通しています。
ビルコムでは、PR会社としての経験と実績を元に、広報・PR部門として伝えたい経営へのメッセージを分類し、それぞれ最適なレポートの形式をまとめています。
4タイプのメッセージと、メッセージを伝えるために効果的なレポート項目を解説します。

<経営層に伝えたいメッセージ別レポート観点>

▼メッセージ1

広報・PR部門の活動がどの程度の定量成果をもたらしたのか?

効果的なレポート項目…「アクション指標×アウトプット指標分析」
広報・PR活動に対して、どの程度の露出が得られたかを分析します。
たとえば、プレスリリースや取材対応の件数(アクション指標)に対して、掲載数や広告換算費、リーチ数(アウトプット指標)がどの程度あったのかなど。前期と比較することによって「メディアアプローチ強化によって、前期比◯%の露出を獲得できた」といった分析が可能です。

▼メッセージ2

広報・PR活動成果は具体的にどのような内容だったか?

効果的なレポート項目…「自社のアウトプット指標の深掘り分析」
アウトプット指標を、「定量」と「定性」の両面から分析すると、具体的な成果を可視化することが可能です。
たとえば、掲載数やリーチ数といった定量の指標と、記事内容や論調など定性の指標をそれぞれ分析・評価してみましょう。広報・PR活動の「質」を見極めることで、注力すべき重要媒体や強化すべき活動などが推察できます。

▼メッセージ3

同業他社と比較した際の、自社の広報・PR活動の成果はどうだったか?

効果的なレポート項目…「競合と自社についてアウトプット指標を比較分析」
自社のアウトプット指標と競合のアウトプット指標を、「定量」と「定性」の両面から相対比較してみましょう。量と質を測る複数のアウトプット指標をそれぞれ見比べると、複数の観点から自社の強みや弱みが見えてきます。たとえば、「今期はシェア数が◯%減少したが、注力した重点媒体での掲載比率が向上し、競合より掲載件数や論調評価も高い」といった分析が可能に。競合を基準とした評価や改善ポイントがわかりやすく伝わります。

▼メッセージ4

広報・PR活動の成果が、事業成長やブランディングにどの程度貢献したか?

効果的なレポート項目…「アウトプット指標×アウトカム(アウトテイク)指標分析」
広報・PR活動は売上に直結しづらく、成果や会社への貢献が見えにくい側面があります。経営貢献との相関を見出すのが難しい場合は、アウトカム(行動成果)の手前のKPIとして、アウトテイク(態度変容効果)の指標を用いる方法があります。
たとえば、リリースに対する記事掲載数(アウトプット指標)と、SNS投稿件数(アウトテイク指標)を時系列で整理すると、「いつの時期、どの媒体に掲載した、どの記事に対して、どの程度の反響があったか」が見えます。「◯月◯日にメディアAに掲載された記事は、SNS投稿件数の増加に大きく貢献し、市場での認知度を高めた」など、ブランディングの観点で相関をアピールすることができます。

広報・PR活動で注目されるのは、やはり「掲載記事(アウトプット)」の指標です。
経営層に伝えたいメッセージがどのような内容であれ、「掲載件数」「リーチ数」「SNS波及数」「重点媒体掲載」「記事内容」などのアウトプット指標を中心にレポーティングすることを心がけましょう。


また、数値の一覧表やグラフを掲載するだけでは、レポートを作成する意義は半減してしまいます。必ず分析をおこない、良かった点や改善点を見つけだすことが重要です。レポートにおいてポイントとなる部分について注釈や解説を入れていくと、より経営層への訴求効果の高いレポートが完成します。

経営にも活かせる広報・PR活動のレポートをスピーディに作成するには?

ご紹介したメッセージ別4つのレポート観点は、すべて盛り込むと充実した内容になり、経営層への説得力も増します。しかしながら実際のところは、リソース不足や業務の優先順位もあり、全部を取り入れることは難しいかもしれません。

その場合は、特に経営層にアピールしたいメッセージを絞り込み、深掘りして分析することをおすすめします。的確に指標を組み合わせて複数の視点で分析をおこない、広報・PR活動の効果をなるべくわかりやすく伝えることが重要です。

レポートを作成するためには、分析前のデータ収集が欠かせませんが、「自社のクリッピングに手一杯で、分析やレポート作成まで手が回らない」という広報・PRご担当者様もいらっしゃいます。目の前の広報・PR活動で忙しく、実績の振り返りであるレポートに時間を割けないという意見も少なくありません。

リソースや時間の問題を解決するなら、広報・PR活動の効果測定ツール「PR Analyzer」を活用してみてはいかがでしょうか。広報・PR活動のレポート作成では、ある程度時間をかけてレポートの構成やメッセージの伝え方を考える必要があります。成果を具体的に把握するために、個別に掲載記事を読み込まなくてはならないことも。さまざまなKPI指標の集計やクリッピングを自動でおこなう「PR Analyzer」があれば、広報・PRご担当者様の日常業務を大幅に軽減可能です。レポート作成に必要な集計・比較・分析が1チャンネルで対応できるので、考察や改善点の洗い出しなど、レポート作成における重要作業に集中いただけます。
「PR Analyzer」で、経営にも活かせるスピーディなレポート作成を実現してください。

また、ビルコムでは、広報・PR活動のレポート作成に役立つセミナーを実施しています。広報・PR業界の最新情報やノウハウをまとめたeBookも各種ご用意していますので、広報・PR活動のレポート作成にご活用ください。
その他、広報・PR活動のレポート作成に関するご質問がございましたら、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。

監修者

ビルコム株式会社
代表取締役兼CEO 太田 滋

2003年にビルコム株式会社を創業。市場創造と評判形成に貢献する次世代PRを掲げ、マスメディアのみならずWebやSNSを含めた統合的なコミュニケーション戦略を手掛ける。2009年には、クチコミマーケティングの健全なる育成・啓発を支援するWOMマーケティング協議会を立ち上げ初代理事長を務めるなど、業界の発展に貢献している。